初心者用戦法

麻雀を始めたばかりは、自分の手牌(てはい)を見ているのが精一杯です。そして聴牌すれば突然場を見始めます。中級者から見れば聴牌しているのが直ぐに分かりますが、4人とも初心者が前提ですから全く問題ありません。

第一段階

とにかく上がりを狙います。上がる訓練です。

1.筋(すじ)を憶える。

麻雀の待ちで一番多いのは両門(リャンメン)待ち、三門(サンメン)待ちです。例えば23の両門待ちであれば1、4のどちらが出ても上がれます。これを筋と言います。一般的な「振り聴(フリテン)片上がりなし」のルールの場合、片方を河(ホー)に捨てていたら、残りの一方で栄和(ロンホー)できません。この3個跳びの数字を筋として憶えます。

1、4、7の筋……23の両門待ち、56の両門待ち、23456の三門待ち

2、5、8の筋……34の両門待ち、67の両門待ち、34567の三門待ち

3、6、9の筋……45の両門待ち、78の両門待ち、45678の三門待ち


2.チー、ポンせず門前清(メンゼンチン)に努める。

聴牌(テンパイ)したらリーチをかける。これで一翻縛理(イーファンしばり)にも耐え、裏ドラのチャンスも出て来ます。

3.手牌はすぐ理牌(リーパイ)し、面子をチェックする。

雀頭となる対子以外に面子が4個あるか?面子が5個以上あると面子多多(メンツターター)と言います。この時は、どの面子を捨てるか考えます。

4.刻子(コウズ)よりも順子(シュンツ)の待ちにする。

面子(メンツ)対子(トイツ)よりも搭子(ターツ)を大事にし、刻子よりも順子作りを目指します。順子は両門待ちであれば待ち牌は8牌あります。嵌張、辺張でも4牌あります。嵌張の場合は、隣の牌が来れば何時でも両門待ちに変わります。一方、対子から刻子にするには2牌しかなく、お互いに対子を持っていると出てきません。これを「持ち持ち」の状態と言います。

5.ドラを大事にする。

役牌があって、ドラが3牌あれば、満貫が上がれます。満貫を作るのは大変ですからドラは貴重です。自分が不要だからとドラを捨てて、それでロンされるのは話になりませんが、チー・ポンされても、他家の手を高めるだけです。五巡目を超えたら捨てるのはやめましょう。

6.流れを大事にする。

配牌が悪くても自模が良ければ和了できるものです。自模の流れの方向に伸ばして行きましょう。

 

第二段階

上がり方を憶えたら、振り込まないように注意しましょう。他家の手を読みます。

1.平和(ピンフ)断么九(タンヤオ)系の捨て方

通常はオタ風牌、場風牌、翻牌(ファンパイ)自風牌と字牌(ツーパイ)を整理します。それから数牌(シュウパイ)を端の老頭牌(ラオトウハイ)(1、9牌)から順に捨てて行きます。こういう捨て方の場合は、平和(ピンフ)・断么九(タンヤオ)系の役と考えられます。裏筋に注意しましょう。たとえば1346と持っていれば34の両門待ちですから1、6は早めに捨てます。これが裏筋です。
1、6……25の両門待ち
2、7……36の両門待ち
3、8……47の両門待ち
4、9……58の両門待ち
更に言いますと、13446とあれば1、6を捨てた後で344の4も捨てます。つまり1,6,4と出てくる。裏筋のあとの中の牌が出てくるとダメ押しとなります。
3巡より前で捨てられた2、3、7、8の外側の1、2、8、9の待ちは通常ありません。つまり、223、の2、233の3、778の7、788の8を捨てる前に1、9、字牌が捨てられます。

2.全帯么(チャンタ)系の捨て方

最初に中張牌(チュンチャンパイ)が多く捨てられている、特に4、5、6が捨てられている場合は全帯么(チャンタ)、2、3、7、8が先に捨てられている場合は国士無双が考えられます。国士無双の場合も本当は明らかに不要な4、5、6を捨てたいところなのですが、目立ちたくないので端に近い2、3、7、8を捨てるものなのです。全帯么は後から字牌が捨てられて来て純全帯么(ジュンチャン)への移行が進んで行きます。国士無双も余った1、9牌や字牌が出てきます。

3.混一色(ホンイーソー)清一色(チンイーソー)の捨て方

一つの種類が捨てられていない場合は、混一色(ホンイツ)の可能性が高いです。これも後から字牌が出てきて清一色(チンイツ)へ移行します。

4.対対和(トイトイホー)系の捨て方

同じ牌がかぶって捨てられている場合、対対和(トイトイ)系の可能性があります。対対和ができる時は、結果的に河に対子や刻子ができ、結構かぶるものです。四暗刻(スーアンコ)を上がる時は、河に暗刻が2組ほど捨てられています。七対子(チートイ)で上がる場合も、河に対子が3組ほど捨てられています。あとになって字牌がバラバラと出てきたら七対子へ移行し、字牌か筋の単騎待ちに移行しています。

5.生牌(ションパイ)は要注意

生牌(ションパイ)は待っている人がいるので無闇に捨ててはいけませんが、特に両サイドが3、4牌出ているのに、その間で全く出ていない生牌は誰かが対子で持っていて双碰(シャンポン)で待っている可能性が高いので、絶対に捨ててはいけません。


第三段階

攻めと守りを総合的に考えます。当たり前のことながら、自分が上がれば、他家は上がれませんし、他家が上がれば自分は上がれません。

1.一翻落として上がりを急げ

早上がりのために手を落とすことも考える。門前清混一色(メンゼンホンイツ)は三翻ですが、チー、ポンを入れて二翻にしてもいいです。門前清清一色(メンゼンチンイツ)を泣いて六翻から五翻にしてもいいです。

2.ドラ含みは早上がり

ドラが2個以上あれば風牌(フォンパイ)翻牌(ファンパイ)を泣いたり、喰いタンでサッサと上がる。この場合、風牌、翻牌を特急券とも言います。発ドラドラ、とか喰いタンドラ3とかは大変価値があります。

3.リーチの功罪

リーチは他家の動きを止める効果はありますが、自分の聴牌を宣言している訳でロン上がりできない可能性があります。その意味で自模上がりできるように待ちを広くする必要があります。またリーチは模打(モーター)の繰り返しで手を変えることができませんので降りることができません。リーチをするには「降りない」覚悟が必要です。

4.降りることも必要

毎回上がる必要はありません。配牌を見て相当ひどい手の場合、最初から降りてもいいです。つまり他家が欲しがる牌、好牌から捨てます。好牌先打(ホーパイセンター)と言います。最初から国士無双を目指す手もあります。国士無双は、こうして作ります。

5.親の連荘

親は子の1.5倍のレートですから、連荘を重ねれば5割増で稼げます。親の時は一翻でもいいので上がり続けます。子の時に比べ強気で行きます

6.中級者、上級者と対戦方法

中級者、上級者と対戦する場合は、第二段階の普通の捨て方の反対を決め打っていきます。例えば13446とあれば4から捨てます。国士無双を狙う時は、最初に字牌の対子の1牌を捨てます。安い手は上がらなくてもいいとすれば、決め打ちをして、ダメだったら降りればいいのです。


7.最後は強気

麻雀は通常27000点持ち、30000点返しで、マイナス3000点からのスタートです。振り込みを恐れて降りてばかりいたら、負けなのです。また、3人からリーチがかかる場合もあり、必ず降り切れるわけではありません。自分の手が大きい時や、親の時は強気で行きましょう。勝負の女神は強気な人に味方するものです。ただし、麻雀はトップ賞を取るゲームですから、オーラスの場合、自分が断然トップなら、翻牌のドラを暗刻で持っていたら、安全牌として、暗刻落としをするのです。自分が2着なら、自模和(ツモ)でトップが取れるのか、あるいは、トップからの直(ジカ)取りが必要なのかを考えるのです。3着、4着は出来るだけ大きい手で上がり、傷を浅くしましょう。